オイーッス!
沖縄の中部をドライブしている時、こんな施設を見かけて「?」となったことがありました。オイスト?
そんな施設に伺う機会をいただいて、OIST に見学に行ってきました。あの高台の上には一体なにが!?
沖縄科学技術大学院大学(OIST)は5年一貫制の博士課程を置く大学院大学です。教員と学生の半数以上を外国人とし、教育と研究は全て英語で行います。
沖縄科学技術大学院大学は、沖縄県国頭郡恩納村字谷茶に本部を置く5年一貫制の博士課程を有する大学院大学である。
沖縄科学技術大学院大学学園法に基づく学校法人沖縄科学技術大学院大学学園により運営され、予算のほぼ全額を政府からの補助金に拠っている。現在は、神経科学、数学・計算科学、化学、分子・細胞・発生生物学、環境・生態学、物理学、海洋科学に大別される7分野で学際的な研究を行っている。
参照元:沖縄科学技術大学院大学 – Wikipedia
それにしてもなんだか規模がすごそうですが、果たして!?
当日は車で伺ったんですが、敷地に入ったあたりから「これは他の場所とは雰囲気が違うぞ…」と。敷地内、そして建物は、リゾートエリアやディズニーランドのように、しっかりとデザインがされている印象でした。
OIST=Okinawa Institute of Science and Technology です。
まず敷地内の地図を見たんですが、今いるエリアが目立つようになっていて、わかりやすい! ほんと、こういう細かなところのデザインがしっかりしているってのは、すごいと思います。
入口のヴィレッジセンターは住居になっているようです。OISTは教員と学生の半数以上を外国人としているとのことで、海外から来ている研究員や教員の住居になっているのかな、と思いました。
簡易的なコンビニ(Jimmy’s)や卓球台等があるラウンジもありました。
奥が研究棟ということで、そちらに進みます。
人工の池のようなものがあり、水が流れる音が心を落ち着けます。
長い廊下を歩いて、入口にたどり着きました。こちらで受付をしてビジターカードをもらい、中に進みます。
ロビーはガラス張りでキレイです。美術館のようです。
受付から研究棟に進むには、また長いトンネルを歩いていきます。トンネルには、OISTで行われている研究に関する動画が流れていたり、展示がされていました。
トンネルの奥に展示されていたこちら… 海流で発電する機械だそうです。なるほど、沖縄ならではのエコエネルギーですよね。
こちらが研究棟の模型です。研究棟の間にもしっかりと自然があって、贅沢な造りだなぁ、と思いませんか? が、後で伺ったんですが、このエリアの自然を残すために、高い場所に建物を建て、橋でつないでいるそうです。この緑の深いところは、川が流れているんだそうです。
入口から研究棟までトンネルだったのは、丘の上に研究棟があるからだったんですね。ということで、エレベーターで研究室のあるフロアにあがります。
エレベーターを上がったところで、准副学長の森田さん、広報ディビジョンの大久保さん、マネヴァさんに迎えていただきました。研究棟の説明を伺いながら、研究室の見学に向かいます。ちなみに、今回は特別に見学をさせていただいたので、普段から見学を行っているわけではありませんので、ご注意ください。
廊下には研究ユニットの紹介が貼られていました。本当に多種多様です。いろいろな国の人がいるそうで、今は50か国以上の人がOISTにいるそうです。
最初に伺ったのは、マリンゲノミックスユニットの研究室です。こちらでは、サンゴやアコヤガイのゲノムを解読し、現在はもずくや海ぶどうのゲノム解読をしているんだそうです。
ゲノム解読となると、考えれば考えるほど、どうなっているんだと混乱してしまいますが、海ぶどうのお話を聞いているだけでも知識をいろいろといただけました。
【追記】
2019年3月に「海ぶどう」の全ゲノム解読に成功したとのことです。詳しくはOISTのページで↓
https://www.oist.jp/ja/news-center/press-releases/33757
続いては、神経計算ユニットの研究室へ。神経計算ユニットでは、人間の心の生物学的基盤を理解、解析するためにロボット実験も行っているそうで、生物学の研究者だけではなく、工学部出身のメンバーも加わったチームで研究をしているとのことでした。
マリンゲノミックスユニットはゲノムの解析をしていましたが、こちらは、脳と心の解析をしている、という感じでしょうか。お話をしていて、哲学にも踏み込んでいくのが面白かったです。ドーパミン、出ました!
他にも、ナノ粒子技術研究ユニットの研究室で、ナノ粒子を作る機械を見せていただいたり…
台風の目に自漕するマシンを見たり…
X線を使ったすごい顕微鏡を見せていただいたりしましたよ。
とにかく今までに触れたことのないものに触れられて、刺激的な時間を過ごすことができました。沖縄にこんな、人的、技術的に先端の研究施設があったなんて知りませんでした。ちなみに、この施設は文部科学省ではなく、内閣府による大学院大学なんだそうで、予算はほぼ全額、政府からの補助金となっているそうです。
他にも施設内を案内していただいている時にいろいろ撮ってきました。たとえば、バーみたいなサイン。あの先にはバーがありそうですが、そういうものは無いそうです。
宇宙刑事以外の蒸着を初めて見ました。
こちらは通路に時々設置されていた緊急用のシャワーです。危険な薬品とかを浴びてしまった時に、使うのだそうです。目を洗うために下から水が出るボックスもついてます。
途中、大き目の窓ガラスのある渡り廊下があり…
その上に鳥がいる、と思ったら…
これ、模型でした。
なんでも、鳥がガラスに突っ込んでくる、いわゆるバードストライクを避けるために、大き目の鳥の模型を置いているんだとか… こういう工夫って、こういう建築だと当たり前なんでしょうか…?
さて、特別な見学では無くても、普通に入ることができるのが、こちらのカフェです。名護で有名なパン屋さん「パンドカイト」がやっているお店なんだとか。
たしかに入ったところには、山原の野菜やピクルスなんかも売っていました。
いんげん詰め放題 100円なんてコーナーも!
奥にはカウンターがあり…
パンやサンドイッチ、お弁当が売られていました。
テーブルからはいい眺めが…
キレイな森と海を眺めながら、ここでのランチというのは観光で来た時にもいいかもしれません。
それにしても、まさか OIST という施設がこれほどのものだとは思っていませんでしたし、中にいる人たちも魅力的でした。ちょっとオタク的な発想になりますが、海外の人も多く、多国籍な雰囲気がすごく素敵でした。独自の世界観があるというか… 各ユニットが研究していることも人類の未来につながるものでしたし、こういう組織が沖縄にあるということが、なんだか象徴的でいいなぁ、とも思いました。直近だと5月、6月にもイベントがあるそうなので、ご興味のある方はぜひチェックしてみてください!
おじさんの目線
ここでの研究がどう広がっていくのか、それを知るのも楽しみです。
【関連リンク】
沖縄科学技術大学院大学(公式サイト)
沖縄科学技術大学院大学 OIST(Facebookページ)
OIST(Twitter)